< 第33期名人戦挑戦者決定リーグ戦第26局 観戦記 >
小林覚 九段
対
黄翊祖 七段
2008年7月11日
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開始を知らせるブザーが鳴ると、小林覚は目を閉じた。しばらく気息を整えてから、おもむろに黒1の小目に向かう。
小林は、リーグトップの井山裕太七段との対局を残しているため、自力で優勝する可能性が残っている。大事な一局が始まった。
黒13のカケツギに手を抜いて、白は14の二間ビラキに転じた。左下、小林がやわらかく黒15にカケたのには、解説の工藤紀夫九段が疑問をはさんだ。
「なぜAとツケなかったのでしょう。避ける理由はありません」
白B、黒C、白D切りに黒Eとツギ、白Fノビには黒29、白30を決めてGにヒラいておけば、周囲に白もおらず、黒がやれないわけがない。
白は左下をさらに放って16とカカった。黒19の肩に、すぐ白28と受けるのは、黒Hのツメがない状況では利かされ。白20の反発は当然だ。
きょうは小林も黄翊祖も黒のスーツに白いワイシャツ。ネクタイも青系で服装が似ている。波長が合ったのか、着手のテンポも同じようにいい。持ち時間5時間の碁とは思えぬほどのハイペースで、まだ始まって1時間もたっていないのに白28まで進んでいる。
黒は29とスソを止めてから31にツメた。さて、下辺の白をどうさばいたらいいのか。黄の判断は、厳しい攻めを誘発する。
(内藤由起子)