< 第33期名人戦挑戦者決定リーグ戦第22局 観戦記 >
井山裕太 七段
対
黄翊祖 七段
2008年6月13日
|
5月の太陽のようにまぶしい対局だった。もうすぐ19歳になる井山裕太と21歳黄翊祖。記録係が昨年プロになった17歳寺山怜初段。解説役は名人戦初登場の27歳河野臨天元。
若さあふれる中で前期高齢者に差しかかりつつある記者は場違いな感じだったが、せめて書くことだけは若々しくつとめよう。
井山と黄は仲よしライバルである。井山が東京にくるか、黄が大阪に行く場合は、必ず連絡し合って行動をともにする。しかし、この日に限ってそうはいってもいられない。井山は単独トップを守りたい、黄は上位をうかがいたい。両者必死の一番なのだ。リーグ内の席次が上位の黄に敬意を表し、井山が上京した。白番と決まっている黄が上席である。
この十数年で布石や定石の考え方は大きく変わった。いい例が白10、黒11を交換したあとの白12だ。昭和のころなら、「白12は13に引く一手。逆に黒13を許すなんて碁じゃない」と酷評されたに違いない。それがいまでは当然のように受け入れられる。コペルニクス的転回である。そのわけは時代に遅れがちな記者にもおぼろげながら理解できた。白12で13だと、黒Aとハサまれ、急戦になるのを嫌ったのだろう。
河野「本局の直前に白14を省き、黒Bを譲った世界戦がありましたが、成功したとはいえません。白14は必要でしょう」
(春秋子)