2008年7月19日
標準的サイズのテント。夏場は、白黒ストライプの部分が外される
皇子主催のイベントにあった大型テント。これはもっぱら接待用か?
金満産油国サウジアラビアで避暑といえば、一家(メイド及びその他スタッフ含む)そろってスイスの別宅へ長期滞在、北欧バルト海やアラスカ沖を豪華客船でクルーズ、はたまたカナダへナイアガラの滝見物、などという超豪華大名旅行が定番。何しろ、1年の半分以上が真夏日&熱帯夜のような気温なのだから、めまいがするほど暑くなったら国外へ逃げるのが得策だろう。
一方、旅へ出ることもめったになく、今も沙漠で放牧をして暮らすベドウィン(遊牧民)の人たちもいる。夏の最高気温が60度を超すこともあるアラビア半島の沙漠、そんなに暑くてどーするの……、という私の疑問は、四輪駆動車でオフロードの旅をしている時に一挙に解決した。
それは、「昼間は休む」。日本人的感覚からすると、明るい日中に活動するのが当たり前と思ってしまうが、容易に水を得られない沙漠地帯で夏場に太陽の下で動き回るのは、まさに命取り。そうとなれば、昼間はおとなしく横になっているのが正解だ。ではどんな場所で寝ているのかといえば、羊や山羊の毛から作られたテントの下。湿度20パーセント以下という沙漠では、風さえあれば気温が50度を超えていても想像するほど暑苦しさは感じない。厚手の純毛テントは、強い日射しを遮るのに絶好の素材。冬場は四方が閉じられているテントも、夏は風の通りを良くしようと、壁になる部分が取り除かれる。中には、四方すべてが外されて屋根部分だけ、というものも。さすがに、そんな丸見えの無防備状態では女性の姿を見かけることはないが、壁の一辺が外されてコの字状になったテントで、奥方らしきかっぷくの良い婦人が横になっているのを見てしまったことがある。そう、お昼寝の真っ最中だったのだ。ガシガシと四駆車で至近距離を走り過ぎる私たちにも気づかぬほど、ぐっすりと眠り込んでいたらしい。
純毛の黒テント、見た目は重く暗い感じだが、実際分厚くて重い。夏はやっぱり白でしょう、と思わなくもないが、日中寝るなら黒い方が熟睡できるに違いない。
遊牧民の知恵は、今も沙漠に生きている。