アスベスト(石綿)を原因とするがんの一種、中皮腫を早期に診断できる血液検査方法の開発に成功したと、順天堂大と建設労働者らでつくる東京土建一般労働組合などの研究チームが18日、発表した。中皮腫は病状の進行が早く、発症後の生存期間は1〜2年程度といわれており、早期診断で患者の生存率向上が期待される。
新たな検査方法は、順天堂大の樋野興夫教授(病理学)らが開発。血液に含まれる特殊なたんぱく質の濃度を見ることで、患者に自覚症状が出る前に、中皮腫を診断できる。従来の診断では、肺などの組織の採取やCT検査をするが、症状の進行後にしか分かりにくい点が課題だった。
研究チームでは昨年2月から今年3月、石綿を吸った疑いのある建設労働者とその家族計2万2450人を対象に新検査を実施。このうち中皮腫の可能性が高い人が28人判明し、追加検査の結果、1人について、本人に自覚症状がない段階で中皮腫であることが確認できた。
石綿被害をめぐっては、中皮腫だけで今後40年間で10万人以上が発症するとの予測もある。同労組の三宅一也・中央執行委員は「被害者が少しでも早く治療が始められるように、国は検査体制を整えるべきだ」と話す。