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心つき動かす書業 井上有一「自画像」+「書業」展

2008年7月16日14時39分

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 新記録で注目を集める英・スピード社の水着、レーザー・レーサー。右の腰から足にかけて、「心」という文字がデザインされている。書いたのは、井上有一(1916〜85)。前衛書運動の一翼を担い、その作品は「絵画の究極を示すもの」と評された。そんな彼の作品を集めた「井上有一『自画像』+『書業』展」が長野県の東御(とうみ)市梅野記念絵画館で開かれている。

 井上は東京・下谷の出身。小学校教師のかたわら、3千点を超す作品を残した。今回は、「書と共にある自画像」をはじめ、幼年期を過ごした自宅近くを描いた「夢幻記」など76点を展示する。一字書で知られる井上らしく、会場には「花」「豪」などの作品が並ぶ。黒々と突き立つような「上」は、ゆらりと闊達(かったつ)。

 圧倒的な存在感を示すのは、「噫(ああ)横川国民学校」だ。45年の東京大空襲の夜、井上が職場だった国民学校で遭遇したできごとを書いたもの。「アメリカB29夜間大挙」で始まる二十数行からは、焼き殺された人々のうめきが聞こえてくるようだ。

 最晩年の作「宮沢賢治童話 なめとこ山の熊」には、十数枚を貫く勢いがある。何が書いてあるのかを超えて、井上作品は人の心をつき動かす。27日まで(22日休み)、800円。電話0268・61・6161。(宮代栄一)

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