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「バウハウス」に迫る 東京・上野で展覧会

2008年7月9日14時42分

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写真モホリ・ナギのバランス研究の授業から生まれた学生の作品。奥にはカンディンスキーの色彩論の授業で作られた作品などが並ぶ写真バウハウスからはマルセル・ブロイヤーのイス(手前)などが生まれた

 近代デザインの話題になると、必ずといっていいほど登場する「バウハウス」。20世紀前半のドイツに登場した造形学校だが、神話化されがちな面もある。東京・上野の東京芸大・大学美術館の「バウハウス・デッサウ展」は、そんなバウハウスの一端を解きほぐしてくれる。(大西若人)

■充実の基礎教育随所に

 グロピウス、クレー、カンディンスキー、ブロイヤー。バウハウスといえば、まず華麗な教官陣の名が浮かぶ。しかし展覧会は、ずいぶん地味な始まり方をする。

 第1部では「アーツ・アンド・クラフツ運動」「ロシア構成主義」といった20世紀初頭のデザイン運動を紹介し、そこにバウハウスも位置づける。突然現れた奇跡ではなく、いわば必然の存在として。

 バウハウスは1919年、建築家W・グロピウスを校長にワイマールに誕生したが、予算の大幅削減で25年にデッサウ市に移転。ナチスが力を増した32年にはベルリンに移り、33年に解散している。教育方針は変化したが、基本的に、芸術とデザイン、技術の総合化を目指した。

 今回の展覧会は、充実していたとされながら紹介の遅れていた、デッサウ期の作品が中心。第2部でその活動が紹介されるが、クレーやカンディンスキーの作品はほとんどないかわり、彼らの演習で学生が制作した作品が並ぶ。

 これが実に、基礎的、原理的で地味。でもそれが逆に、興味深い。色彩論や形態論を担当したカンディンスキーの演習では、地道に色の比較を続けるカラーチャートのような作品が目立つ。自身の躍動感のある作風とは対照的だ。

 造形でも、ヨーゼフ・アルバースの演習では、折り紙のような構造模型が並ぶし、モホリ・ナギの授業からは、モノのバランスを確かめるような知的な立体が生まれている。

 企画者の一人の薩摩雅登・東京芸大教授は、「バウハウスは、日本では建築と家具のデザインの印象が強いが、もっと多岐にわたる実験工房の性格が強かった。名前だけですごいと思いがちな面もあるので、学生の作品を多くした」と話す。

 第3部で、バウハウスの最終目標だった建築に関する活動を紹介。グロピウスが設計した校舎の校長室も、実物大で再現されている。

 展覧会を見たデザイン評論家の柏木博・武蔵野美術大教授も「デッサウ期は、抽象性と機能主義の両立を目指すなど、画期的な時代。これまで見たことのない作品も多く、興味深い」と話していた。

 ◇21日まで。浜松市美術館、新潟市新津美術館、宇都宮美術館に巡回。

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