【ニューヨーク=丸石伸一】米金融大手10社の低所得者向け(サブプライム)住宅ローン関連の損失が、過去1年間で計約2千億ドル(約21兆4千億円)に達する見通しになった。08年第2四半期決算でも損失計上が収束に向かう兆しは見えず、業績低迷は長引きそうだ。
18日までに発表された7社の08年第2四半期(3〜5月期または4〜6月期)の決算では、サブプライム関連損失は計400億ドル近くまで膨らんだ。21、22日に発表予定のバンク・オブ・アメリカとワコビアを合わせると計500億ドル規模になる見通し。
サブプライム危機が深刻化した昨夏以降、米金融機関は巨額の関連損失を相次いで計上した。大手10社(うちベアー・スターンズは今年3月に実質破綻(はたん))では、08年第1四半期までで計約1500億ドルに及ぶ。第2四半期を合わせると2千億ドル規模になるのはほぼ確実と見られる。
四半期ごとの動きを見ると、ピークは07年第4四半期の700億ドル。08年第1四半期は約550億ドルまで減ったが、第2四半期はほぼ横ばいで、金融機関によっては再び増えたところもある。
過去1年で600億ドル以上の関連損失を計上したシティグループのゲイリー・クリッテンデン最高財務責任者は18日の会見で「住宅価格の下落と失業率の増加、景気の減速が長引いているのが影響した」と説明した。
サブプライムローンだけでなく、返済能力が高いと見られていた通常の住宅ローンにまで焦げ付きが広がっている。「通常の住宅ローンの(焦げ付き増などによる)損失は今後、現在の3倍に増える可能性がある」(JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモン最高経営責任者)との見方も出ている。
高層ビルやショッピングセンターなど商業用不動産への融資や、クレジットカードでの融資の焦げ付きの増加も心配されており、「今後を予想するのは非常に難しい」(クリッテンデン氏)という。
ニューヨーク市場では、金融大手の第2四半期決算がアナリストの予想ほど悪くなかったことを好感して、株価が上昇に転じた。しかし、エコノミストには「住宅価格の底打ちは来年にずれ込み、金融機関の損失計上も当面続く」という予想が多い。