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陰の極は買いの機あり、か?

2008年7月18日

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◇時事と市場の動き

昨日と同じく、原油価格が大幅続落でNY市場は大幅高し、為替市場でもドル高円安になったにもかかわらず、日本の株式市場は朝高の後はジリ貧状態となりました。市場関係者の関心は今晩のシティグループの決算内容と米国株式市場の動きに移っており、また三連休を前にして「買うにしても売るにしても手がけにくい」ということで、商いも閑散相場が続いています。

特に昨日の出来高は最近の薄商いの中でも一段と少なく16億株台となり、本日は少し増えたとはいえ18億株しかなく、活況の目安といわれる30億株には程遠い水準の出来高しかできていません。これは最大プレイヤーの外国人投資家がほとんど動いていないからであり、特に昨晩のNY市場が引けた後に発表されたメイルリンチの予想以上に悪い内容だった決算を受け、今晩のNY市場がどう反応するのかを見極めたいという意向が働いているようです。

このように長い時間をかけて下げ続けた相場の安値圏で、かつほとんど動きがなくなった相場のこと昔から「陰の極」といいます。この「陰の極」は、一般的には「陰の極に買いの機あり」という格言で使われることが多く、相場が下落して「これ以上に下げようがない状態」のときに使われます。これは売り物が出尽くして出来高が少ないときほど、悪材料が消えるか好材料が出れば大きく上昇しやすくなるため「買いの機になる」というものです。

もちろん、この悪材料が「いつ消えるのか?」、また好材料が「いつ出るのか?」は分からりませんし、また悪材料が「消える」のではなく「さらに出る可能性」もありますので、単純に「買いの機になる」とはいえないかもしれません。しかし、それでも株価はどんな相場であっても「上がれば下がり、下がれば上がる」を繰り返していますので、大きく下がれば下がるほど「上がりやすくなる」のは事実です。したがって、TOPIXや日経平均が「大きく下がって中期下落波動(※)が引かれた」ことを考えますと、仮に下がることがあったとしても「すでに大きく下がっているのでさらに大きく下がる余地は少ない」と考えることができると思います。

※「波動ライン」は有料会員向けのサービスです。

▼来週の主な予定

◇インデックスの動きと市場・経済

上昇したインデックスも下落したインデックスも1位を除けば変動率は非常に小さく、本日の株式市場は全体的にも小動きだったことが分かります。


なお、上昇率1位も下落率1位も新興市場のインデックスがランクされており、かつ変動率が他のインデックスに比べて特に大きいことから、薄商いの続く一部市場に比べてもさらに市場規模が小さな新興市場の場合は、わずかな小額の資金であっても株価が大きく変動しやすいという市場の性格が現れていることが分かります。

それともう一つの特徴は、昨日大きく上昇したインデックスが本日は大きく売られ、反対に昨日大きく売られたインデックスが本日は上昇率の上位に顔を出しているということです。つまり、物色対象に手詰まり感が出ており、日計り(ひばかり)商いが目的の短期的な投資資金が中心の相場ということが分かります。

◇投資戦略

依然としてこう着状態の薄商いが続いていますが、昨日もお伝えしましたようにさまざまな指標で割安シグナルが増えてきました。

・『最適指標銘柄探し』ソフト(※)の自由設定コースの抽出銘柄数が、300銘柄近くまで増えてきました。6月の戻り高値をつけた後の下落相場が始まってからしばらくは20〜30銘柄程度しか抽出されませんでしたが、高値からの下落率が−10%を越えたあたりからようやく増えだしました。

ちなみに3月17日の年初来安値のときでは600銘柄近くまで増えましたが、現在の株価水準は大底を付けたあとの一番底(3月31日)あたりに近く、抽出銘柄数もこの3月31日当時とほぼ同じくらいとなっています。

・『割安銘柄探し』ソフト(※)でもっともリスク度が低い「大市場A」や「大市場B」でも常に銘柄が抽出されるようになり、200銘柄近くまで増えてきました。このソフトの「市場」とは、東証一部市場やジャスダック市場などの市場区分だけでなく、すべての銘柄を33業種で区分した「業種別インデックス」という市場や、この「業種別インデックス」をさらに同じ事業を行っている銘柄だけで区分した「ケンミレインデックス」という市場を指します。

そして、これらの市場(インデックス)には「たくさんの銘柄数が含まれる市場」もあれば「少しの銘柄数しか含まれない市場」もありますので、この採用銘柄数の多さで「大市場」から「小市場」まで9つの市場グループに分けています。

そうしますと、採用銘柄数が少ない「小市場」の場合、1銘柄だけでも株価が大きく変動すれば「小市場全体の株価指数も変動しやすく」なります。したがって、小市場に割安シグナルが点灯してもダマシが発生しやすくなりますので、リスク度としては高くなります。しかし採用銘柄数が多い「大市場」の場合ですとダマシも少なくなりますので、リスク度は低くなります。

そしてこのリスク度が低い「大市場」や「中市場」に割安シグナルが点灯し、この「大市場」や「中市場」の中に含まれる銘柄の中から、さらに割安シグナルが点灯している銘柄だけを抽出した数が200銘柄近くまで増えてきました。

・トップページにある『割安インデックスマップ(※)』の分布図で、株価水準が割安な状態にまで下がってきたことを示す「下側のエリア」にたくさんの星印が偏ってきました。有料会員の方は、このマップの上にある「過去1ヶ月の動き」のボタンをクリックすれば、星印が割高な上側から割安な下側に増えてきたことが目で見て確認することができます。

・同じくトップページの「景気予測株価指数(※)」にあるミニチャートで、中期下落波動が引かれた業種が増えてきました。

・TOPIXや日経平均のチャートが、中期バリューのアンダーバリューラインに近づいてきました。

※『最適指標銘柄探し』ソフト、『割安銘柄探し』ソフト、『割安インデックスマップ』、「景気予測株価指数」は有料会員向けのソフト・サービスです。

株式市場が本格的に上昇するには「エネルギー」が必要となりますが、この必要なエネルギーが出来高と売買代金です。しかし、出来高や売買代金が増えてくると、それと同時に株価水準も上昇する可能性が高くなりますので、待ち伏せ買いのスタンスであれば「出来高や売買代金が増える前に株式組入比率で資金に余裕を持たせて買う」という方法となります。反対に、出来高や売買代金が増えて株式市場が上昇したタイミングを買う初動買いや、または上昇した後の押し目で割安になったタイミングで買う待ち伏せ買いなら「出来高や売買代金が増えて株式市場が上昇するのを確認してから買う」という方法となります。

どちらの方法を採るにしましても、割安シグナルがたくさん点灯している状況となっていますので、新しく買いたい銘柄を探す準備をする価値があると思います。また、本日までにすでに買いたい銘柄が見つかっている場合でも、買っても良いと判断した当時と現在とでは株式市場を取り巻く環境も違っていますので、もう一度「本当に買っての良い銘柄かどうか」を見直す良い機会と思います。

一方、過去に高いときに買ってしまい、買い値まで回復するには相当な時間がかかりそうな塩漬け株を持って身動きできない場合は、まずは持っている銘柄の業績と平均上昇率(※)をチェックしてください。塩漬け株の「個別銘柄情報(※)」の業績欄と会社四季報のコメント欄をチェックして、業績やコメントの内容を「古いものから新しい最新のものを見比べて、内容が良い方向に向かっているのか?それとも悪い方向に向かっているのか?」をチェックします。そして悪い方向に向かっているなら、損切りして気持ちを新たに業績が良くて平均上昇率が高い銘柄と入れ換えることも検討した方が良いと思いますし、チャートをチェックする余裕がある人は短期波動(※)の上昇率もチェックした方が良いと思います。

※「個別銘柄情報」、「短期波動」は有料会員向けのサービスです。

直近の中期下落波動が引かれているタイミングで買ってしこっている銘柄は、まだ「どうしようもない塩漬け株」とはいえません。そもそも中期下落波動が引かれている銘柄は「すでに大きく下がっているので仮にこれ以上下がることがあっても大きくは下がらない銘柄」と見ることもできますので、慌てて損切りしなくても「大きく下がった後なのでいずれリバウンドする可能性」もあると思います。したがって、業績の裏付けがあって平均上昇率が高い銘柄で、TOPIXや日経平均がアンダーバリューラインを下回らない限りはもう少し様子を見て判断して良いと思います。

レポート担当 : ケンミレ株式情報 田中達也

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